物件を預かるたび、問い合わせに答えるたびに作ることになるのがマイソク(物件図面・チラシ)です。1枚あたりの作業は地味でも、「情報を転記して、写真を差し替えて、位置図を作って」を繰り返しているうちに、気づけば午前中が終わっていた——そんな経験はないでしょうか。
マイソク作成の速さは、デザインセンスではなく段取りで決まります。この記事では、時間を食っている作業の正体を分解したうえで、テンプレ化と地図ツールで削る具体的な方法をまとめます。レインズまわりの効率化全体はレインズ業務を効率化する方法まとめもあわせてご覧ください。

マイソク作成の時短を阻む3つの作業
マイソク1枚にかかる時間を分解すると、大半は次の3つに費やされています。
1つ目が物件情報の転記です。 価格、所在地、面積、築年、設備。元付の図面やレインズの画面を見ながら、自社フォーマットに1項目ずつ打ち直す。単純作業のわりに数字の打ち間違いが許されないので、意外と神経をすり減らします。
2つ目が写真の差し替えです。 撮ってきた写真から使うカットを選び、明るさを整え、枠に合わせて配置する。写真と枠の縦横が合わず、レイアウトごと調整し直すこともよくあります。
3つ目が位置図と周辺環境の記載です。 地図を開いて該当地を探し、スクリーンショットを撮り、駅やスーパーまでの距離を調べて書き込む。1物件なら数分でも、毎回ゼロからやるとじわじわ効いてきます。
裏を返せば、この3つに手を打てば、マイソク作成はまとめて短くなります。
時短の基本1. テンプレートは「物件種別ごとに1枚」で止める
テンプレートを作ること自体は、多くの会社がすでにやっています。問題はむしろ増やしすぎることです。物件ごとに過去のファイルを複製して使い回していると、「どれが最新の型かわからない」「前の物件の備考が残ったまま」という事故が起きます。
おすすめは、売マンション・売戸建/土地・賃貸の3種類程度に絞って「原本」フォルダに置き、原本は上書き禁止にすることです。作成時は必ず原本を複製してから使う。戻る場所が1か所に決まっているだけで、レイアウトをいじり直す時間はほぼゼロになります。
時短の基本2. 記載項目はチェックリストで「一往復」に減らす
作成時間と同じくらい馬鹿にならないのが、「あれが抜けていた」の往復です。取引態様、現況、引渡し時期、備考の定型文。抜けに気づくたびにファイルを開き直していると、1枚のマイソクに三度も四度も触ることになります。
対策は、記載項目のチェックリストを1枚作り、入力→チェック→完成を一往復で終える運用にすることです。広告表示上おさえるべき項目もリストに入れておけば、確認作業がそのまま品質チェックを兼ねます。
時短の基本3. 写真は「撮る段階」で仕上がりを決める
写真の差し替えに時間がかかる原因の多くは、編集の段階で整えようとすることにあります。
- テンプレートの写真枠に合わせて、横位置で撮ると決めておく
- 外観・玄関・リビング・水回り・眺望など、撮る順番を固定する
- 撮影後すぐ、物件名のフォルダに移して日付で管理する
この3つだけで、「使える写真を探す時間」と「トリミングし直す時間」が大きく減ります。撮る段階で仕上がりが決まっていれば、差し替えは文字どおり置き換えるだけの作業になります。
位置図と周辺環境は地図ツールで時短する
3つの作業の中で、最も「毎回ゼロから手作業」になりがちなのが位置図です。地図アプリで住所を検索し、縮尺を調整し、画像にして貼り付ける。さらに周辺のスーパーや学校を調べて「徒歩8分」と書き添える。
ここは道具で削れる部分です。物件の位置を地図上で確認しながら、駅距離や周辺施設をまとめて把握できる環境を作っておくと、位置図まわりは数分で終わります。日頃から担当エリアの物件を地図で見る習慣があれば、周辺環境の記載も「調べて書く」から「知っていることを書く」に変わります。地図を営業の武器にする考え方は不動産営業で地図を武器にする方法で詳しく書きました。
もうひとつ、位置図は正確さと同じくらい「見やすさ」が大事です。縮尺は最寄駅と物件が1枚に収まる程度にそろえ、書き込む施設は買主が気にする2〜3件に絞る。情報を盛りすぎた位置図は、作るのにも読むのにも時間がかかります。

転記そのものを減らす:物件情報は「データ」で持つ
最後に、いちばん重い転記です。テンプレやチェックリストで転記は速くなりますが、なくなりはしません。減らすには、物件情報を「画面を見ながら打ち直す」のではなく「データとして受け取る」形に変えるのが近道です。
たとえばレインズの検索結果をCSVで出力してExcelに取り込めれば、価格や面積といった基本項目はコピーで済み、打ち間違いのリスクも下がります。具体的な手順はレインズの検索結果をCSV・Excelに出力する方法にまとめています。転記が「入力」から「確認」に変わると、1枚あたりの時間は目に見えて縮みます。
完成したマイソクは「探せる形」で保存する
作ったマイソクを次に活かせるかどうかも、積み重なると大きな差になります。「日付_エリア_物件名」のようなファイル名ルールを決めて保存しておけば、価格変更のたびに作り直す必要はなく、類似物件のマイソクを叩き台にすることもできます。過去の1枚を3分で見つけられる状態は、それ自体が時短の仕組みです。
まとめ:マイソク作成の時短は段取りが9割
- 時間を食うのは「転記・写真・位置図」の3つ
- テンプレは種別ごとに原本1枚。複製して使い、原本は触らない
- 記載項目はチェックリストで一往復に
- 写真は撮る段階で仕上がりを決める
- 位置図は地図ツール+載せる情報を絞って数分で
- 転記はCSVなど「データで受け取る」形に変える
マイソクは1枚ごとの時短効果こそ小さいものの、作る枚数が多いぶん、段取りの改善がそのまま毎月の時間になって返ってきます。浮いた時間は、写真の質や紹介文といった「反響を左右する部分」に回していきましょう。
ほかの効率化の工夫はレインズ業務を効率化する方法まとめからどうぞ。

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